なにかと不安な相続税、団塊の世代を親に持つ世代がそろそろ50代に近づいてきています。
自分は、そんな相続でもめそうな財産もちではないですが、やっぱり、世代交代でかかる税金の制度についてはかなり気になりますので、いま、FP(ファイナンシャルプランナー)を勉強しています。( 受かる予定 )
自分は親から家計や資産形成についてひとつも指南されたりしたことがなかったので、家人の将来の資産形成の参考になればと思ったのも、きっかけのひとつです。
まあ、実際に、相続を済ませる現実もあったので、それら背景も含めて、たくさんの不安な方々の参考になる情報を以下に記せたらと思っています。

FP受験のきっかけは、家人の将来の受験勉強に対抗して、刺激をするためと、受験しやすい資格だとある方に言われたのでチャレンジしてみようと思ったんでした。
実家の土地建物の相続税額 ( 小規模宅地等の特例 )
相続税を計算するためには、土地建物の評価額をまず算出します。
土地の、相続税の公的価格は、毎年国税局が発表する 「 相続税路線価 」 が基礎となり(1月1日時点の価格を7月頃に発表)、その80%が評価額となります。
建物は、市町村が3年に一度調査して書き換えられる 「 固定資産税評価額 」 が基礎となり、その70%が評価額となります。
ちなみに「 相続税路線価 」のない地域もあります。 その場合は 「 固定資産税評価額 」 にある倍率を乗じて算出されています。
尚、特定居住用宅地等(亡くなった人の自宅)の土地が330㎡以内であれば、不動産の評価額が80%減額される 【 小規模宅地等の特例 】 が適用できますが、これは相続する人が生計をともにしていたこと・確定申告することが条件となっています。
相続適用の時期とその責任の範囲
相続税は、相続の開始があったことを知った日から3カ月以内に相続放棄などをしなかった場合に、積極財産(資産=プラスの財産)と、消極財産(負債=マイナスの財産)の両方を相続したものとみなされます。【 単純承認 】
また、相続人は受け継いだプラスの財産の範囲内で、マイナスの財産を相殺することができるんです。【 限定承認 】
ですので、マイナスの財産がプラスの資産を上回った場合は限定承認にすると、それ資産以上の負債に対しての責任を一切負わなくて良くなります。
実家の土地建物の相続税控除額
相続税は、相続によって財産を取得した人ごとに計算されますし、財産毎に課税額から控除される金額も個々に決められています。
課税 遺産総額 = 課税価格の合計額 - 遺産に係る基礎控除額
基礎控除額 は、 3,000万円 + ( 600万円 × 法定相続人の数 )
例えば、相続人が1人の場合、3,600万円までの資産であれば、課税対象外となりますので、実家の土地建物などの資産合計が 3,600万円以内であれば、相続税の申告が不要となります。
居住用財産を譲渡した場合の特別控除制度 ( 譲渡所得税 )
例えば生前、居住用だった自宅を第三者に譲渡して所得を得た場合には、その譲渡益のうち 3,000万円が控除 されます。
相続する人が将来住んだり貸したりする予定がないのであれば、売却することも検討できます。
相続時精算課税 と 配偶者居住権の活用
生前に、直系の家族に住んでいる自宅を譲渡( 所有者の名義変更 )したいと考えるときは、「 相続時精算課税 」という制度を選択すると、2,500万円までが特別控除されます。(贈与税)
※ これは、60歳以上の親または祖父母からその年の1月1日から12月31日までの1年間に贈与を受けた財産の価額の合計額に対する控除で、2,500万円以上の残額に対しては贈与税(20%)が算定されます。
※ なお、この特別控除額は贈与税の期限内申告書を提出する場合のみ適用です。(確定申告)
譲渡した自宅と配偶者の関係
あれ?? 配偶者がいる場合の自宅相続についてはどうするの?? と思われますよね。

配偶者には、住んでいた自宅を相続しなくても住み続ける権利( 配偶者居住権 )があります。
なので、例えば、お父さんが息子さんに自宅の所有者名義を変更しても、お母さんは住み続けて構わないという権利をもっています。
※ ただし、第三者に対して配偶者居住権で対抗するためには、登記されている必要があります。
尚、配偶者の法定相続分相続額は 1億6,000万円までが控除 の対象です( 要確定申告 )。
売却する場合の取得費加算の特例
相続または遺贈により取得した土地、建物、株式などの財産は、3年内に(第三者に)譲渡した場合にのみ、相続税額のうち一定金額を譲渡資産の取得費として加算することができます。( 相続税課税対象者のみ )
つまり、早めに、相続した土地建物を売るなら、相続税がいくらか節税できる制度があるってことです。 ずっと放置していていざ売却しようとする際には、けっこう譲渡所得税等がかかることがあるので、相続税を払う際には、この制度の早めの利用を検討しておいた方がいいかもしれません。
※( 株式等の譲渡による事業所得および雑所得については不適用。)
相続空き家の3,000万円特別控除の特例
また、生前住んでた自宅が空き家になってしまった資産を相続し、その土地建物を売却して所得を得た場合も、3,000万円まで控除することができます。
( 平成28年4月1日から令和5年12月31日まで。被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除の特例 )
各種手続きにかかる費用( 登録免許税・戸籍謄本など )
すみません、あくまで参考価格です。
◇法務局
登録免許税 ( 固定資産税評価額 × 1000分の15 )
登記簿謄本 1通600円
固定資産税評価証明書 1通300円

固定資産が高額だと、登録免許税も高くなるんですね。
◇市町村
戸籍謄本 ( 1通450円 × 相続人全員分が必要 )
除籍謄本・改製原戸籍 1通750円
戸籍の附票 1通300円
住民票除票の写し 1通300~400円
住民票 1通300~400円
印鑑証明書 1通300円 ( 相続人全員分が必要 )

相続する人数全員分必要な書類が多いようです。
◇金融機関
残高証明書 1通300~1000円くらい
マイナンバーの写し

相続は、放棄する人も含めて課税対象額を確認する必要があるので、様々な書類が必要。 手続きは皆煩雑で大変だと言うそうです。
まとめ
まとめ! 主要ポイントは以下です。
・ 3,000万円 + ( 600 × 法定相続人の数 ) 以下の相続ならば、申告は不要
・ 60歳以上で生前に自宅を贈与してもらう場合、資産 2,500万円以下であれば、申告不要
・ 生前に第三者に自宅を売却(譲渡)する場合、 資産 3,000万円以下であれば、申告不要
配偶者の相続分は 1/2 ですが、配偶者の相続税控除額( 1.6億 )がかなり大きく、配偶者居住権 があるので、その辺を覚えておくといいと思います。
相続税のその他非課税枠
ちなみに、
相続税の非課税枠は、 保険金 ( 500万円 × 法定相続人の数 )、
死亡退職金 ( 500万円 × 法定相続人の数 )、
通夜・葬儀費用などとなります。
なお、法事や香典返し、墓地買入未払金などについては控除されないので、注意してください。
税理士に依頼する場合
計算や手続きを税理士さんにまかせる場合は、相続する資産の多さによって税理士報酬が決まるみたいなので、複数の税理士事務所から概算見積などを取るといいのかもしれません。

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